野菜炒めをシャキッと美味しく作るポイントは?

野菜炒めは家庭料理の定番でありながら、作る人によって美味しさに差が結構出ます。
というのも、野菜炒めを美味しく作るには、気を付けるべきポイントがいくつかある為です。

 

当ページでは、炒め物を日々頻繁に作っている給食調理員としての立場から
家庭でも野菜炒めを美味しく作る為のポイントをご紹介します。

 

また、参考までに「炒める」という調理法についても掘り下げておきましたので、
気になる方は目を通して頂けると幸いです。

 

 

 

 

1: 「炒める」の意味を理解する

 

「炒める」について、感覚的に分かっていたとしても言葉で正確に説明することは
案外難しいと思います。ここでは、せっかくなので「炒める」という意味について、
簡単にご紹介しておきます。

 

1.1 「炒める」は高温短時間が基本

「炒める」とはフライパンや鍋などの調理器具を使用して、
少量の油をしいて食材をかくはんしながら加熱調理することを指します。
基本的には150度〜200度程の高温短時間での加熱調理が基本となり、
食材の水分と栄養素が損いにくい特徴があります。

 

1.2 「炒める」は大きく3種類

「炒める」には、「炒める」「炒め焼き(ソテー)」「炒め煮」の3つの種類があります。
通常の「炒める」は、野菜炒めや回鍋肉など肉や葉物野菜を炒めるメニューが
代表的です。「炒め焼き(ソテー)」は、オムレツや魚のムニエル、チキンソテーなど
やステーキなどが該当します。「炒め煮」は金平ゴボウやヒジキの煮物のように
食材を炒めた後に調味料やだし汁などを加えるという特徴があります。

 

1.3 「炒める」で必要な油の量

「炒める」際には、油脂を使用することで食材をコーティングして食材の水分の
流出を防ぐため、歯触りのよい仕上がりとなります。同時に、油脂をしくくことで、
なべ底の急激な温度上昇を抑え、焦げ付きを防ぐことができます。
「炒める」際に必要な油脂量は、通常の炒めで3〜7%、炒め焼きで5〜7%、
チャーハン・ピラフなどの焼き飯では7〜10%が目安となっています。

2: 野菜炒めを美味しく作る為のポイント

「野菜炒め」は、炒めモノの中でも最もスタンダードなメニューだと思います。
野菜炒めがキチンと作れるようになれば、他にも応用が利きますので、
ぜひポイントを身に着けてください。(^ ^)

 

野菜炒めを美味しく作る為のポイントは、次の5点です。

 

野菜炒めを美味しく作る為のポイント

  1. 食材は大きさが均一になるように切る
  2. 炒める順番は最初に肉、次に野菜
  3. 炒める量は鍋の深さの1/2以下
  4. 強火短時間で仕上げる
  5. 味付けは最後に行う

 

それぞれ詳しく説明します。

 

@ 食材は大きさが均一になるように切る

食材の大きさをそろえる目的は「火の通り」と「味付け」を均一にする為です。
食材の大きさがバラバラになってしまうと、火が通り過ぎたり、食材が生焼けに
なってしまい美味しさに大きく影響します。加えて、食材の大きさや形をそろえると
見た目も良くなります。

 

野菜の切り方については好みによるところが大きく、プロの料理人でも千切りで
切る人もいれば、短冊切りやクシ切りでで野菜の存在感を強調させる人もいます。
例えば、定番の野菜炒めではキャベツ・人参・玉葱が入っていると思いますが、
管理人の現場ではキャベツは3cm角・人参は短冊・玉葱はくし切りといった感じで
切り分けています。

 

A 炒める順番は最初に肉、次に野菜

鍋(フライパン)を熱して油を引き、ニンニクや生姜の香りを移したら肉を炒めます。
最初に肉を炒めることで、肉の旨みを次に投入する野菜に移すことができます。
鍋に引く油の量は、食材の総量の5%程がベストだと思います。油を食材に
まとわせることで、短時間で食材に火を通すことができシャキッと仕上がります。

 

野菜を投入する順番については、根菜類などの火の通りにくいモノを最初に入れ、
火の通りやすい葉物野菜は後半に投入します。(例:人参→玉葱→キャベツ)

 

B 炒める量は鍋の深さの1/2以下

一度に食材を炒める量も重要です。炒める食材の量が多すぎると、鍋やフライパンの
温度が下がってしまい高温で炒めることが難しくなる為、火を通すのに時間がかかり
美味しく出来上がりません。ですから、食材に均一に熱を通す為にも、一度に炒める
食材の量は、炒め鍋を1/2以下にすることを推奨します。

 

C 強火短時間で仕上げる

野菜炒めは「高温短時間」で仕上げるのが鉄則です。油で食材をコーティングし、
強火で炒めることで水分と旨みを閉じ込めてシャキッとした歯触りになります。
低温長時間で炒めてしまうと、水分や栄養素が流出するたけでなく、
野菜本来の色味も失われてしまい、見た目も悪くなってしまいます。

 

D 味付けは最後に行う

塩や合わせ調味料などで味付けをするタイミングも非常に重要です。
野菜に塩分を加えると、脱水作用によって野菜の水分が流出しやすくなる為です。
ですから、加熱調理が終わる最後のタイミングで味付けを行います。
塩分濃度は、人が美味しいと感じる血液濃度に近い1%が目安となります。
つまり、肉・野菜合わせて500gであれば、塩の量は5g程という計算になります。

 

調味料を加えたら、強火のまま3〜4秒間をとりながら鍋をあおるように混ぜます。
すると、鍋の熱が食材に効率的に伝わり、短い加熱時間で仕上げることができます

3: 野菜炒めを作る際のお役立ち情報

 

最後に、野菜炒めを美味しく作る為のポイントに加えて、「知っておくと役立つこと」
について簡単にご紹介しておきます。

 

3.1 電子レンジで火の通りにくい野菜を予熱

野菜炒めを作る際に、人参などの根菜類は火が通るのに時間がかかる為、
炒めるのに時間がかかってしまったり、もしくは食材に十分な火が通らないまま次の
野菜を投入して仕上げてしまうケースがあります。そのような事態を避ける方法として
おすすめなのが、電子レンジで予熱を入れてしまうことです。

 

電子レンジで予熱を入れておくと、炒める時間が短縮できるというメリットの他に、
野菜の水分をある程度蒸発させておくことができる為、炒めた後ある程度時間が
経過してもベチャベチャと水っぽくなりません。(もちろん予熱し過ぎは禁物です)
この手法は、料理を作ってから提供までに時間が空いてしまう大量調理の現場では
よく採用されているものであり、大量の野菜を炒める際には非常に効果的です。

 

もちろん出来立てを食べる家庭においても、電子レンジ調理は有効な手段であり
時短と手軽さのメリットがありますのでぜひ活用してみてください。

 

3.2 油は鍋・フライパンが冷たいうちに引く

フライパンや炒め鍋に油脂をしくタイミングがよく分からない方は意外に多いと思います。
一般的に、中華鍋のような鉄鍋は冷たいうちから油をなじませておくのが主流であり、
家庭用のフライパンのようなフッ素・テフロン加工が施されているモノは、フライパンが
温まってから油をしくのが主流であると言われています。

 

しかし、結論から申し上げると、家庭用のフッ素加工のフライパンどちらにおいても、
冷たいうちから油を引いて全く問題ありません。むしろ、フライパンは空焼きして煙が
上るほど加熱されてしまうと痛みが早くなってしまうので、最初から油を引いておいて
コーティングしておき温度上昇を緩やかにした方が、フライパンは痛みにくく長持ちします。

 

油は冷たいうちはドロっとしていますが、加熱されるとサラサラとした状態になってきますので、
フライパンを回して全体に油が走るようであれば、フライパンの加熱状態としてはOKです。

 

3.3 春雨で流出した水分を吸収

野菜炒めを作ると、どんなに上手に作れる人でも、野菜の水分は味付けの塩分による
脱水作用や加熱の影響によってある程度流出してしまいます。この流出した水分には
野菜の旨みや栄養素がタップリと含まれている為、少しも無駄にしたくない人もいると
思います。そんなときにおススメなのが出来上がりの最後に春雨を投入することです。
春雨が流出した水分を吸収してくれますので、少しも無駄が残らなくなります。

4: まとめ

 

野菜炒めは炒め物の基本ですが、食材のカッティング、加熱方法、味付けのタイミングなど
美味しく作るには気を付けるポイントがいくつもあります。但し、これらの基本をキチンと
知っておけば、他の炒め物料理にも応用が利いてきます。

 

年配の調理員でも、揚げ物や焼き物はそれなりに出来ても、炒め物があまり得意ではない
という人も意外といますので、炒め物が上手にできるということは割とすごいことです。

 

ぜひ、野菜炒めを上手に作れるようになって、炒め物の基本をマスターしてください(^ ^)