調味パーセントで安定した味づくりをマスターする!

 

料理の味付けで重要なのは「塩加減」です。
「塩加減」は個人の味覚に頼る部分が大きいと思われがちですが、
実は安定した味付けを実現するためのテクニックがあります。

 

栄養学には、「調味パーセント」という考え方があります。
これは、料理を作る時の塩分量が異なるときに、塩分濃度を一定にすることによって、
安定した味を作りだすことができるという考え方です。

 

特に、大量調理のように一度に50人前〜100人前の量を作るときには、
とても重宝されるテクニックであり、管理人もこの考え方を実践しています。

 

当ページでは、この調味パーセントについてご紹介します。

 

1: 調味料ごとの塩分量の目安

 

調味パーセントを活用する為には、調味料ごとの塩分量を正確に把握
しておく必要があります。下記の表は、主な調味料の塩分量の目安です。

 

調味料名 小さじ1の塩分量 大さじ1の塩分量
精製塩 6g 18g
濃い口しょうゆ 1g 2.6g
めんつゆ(濃縮) 0.2g 0.5g
豆・米みそ 0.7g 2.1g
白・甘みそ 0.4g 1.2g
コチュジャン 塩:0.4g/糖:3g 塩:1.2g/糖:9g
甜麺醤 塩:0.4g/糖:3g 塩:1.2g/糖:9g
中濃ソース ブル:100ccで塩:6.5g/糖:36g 0.35g 1.0g
ウスターソース ブル:100ccで塩:9g/糖:32g 0.45g 塩:1.3g/糖:4.8g
ケチャップ 0.2g 塩:0.5g/糖:4g
オイスターソース 0.7g 2.1g・糖3g
マヨネーズ 0.1g 0.3g
豆板醤 1g 3g
顆粒だし 1.2g 3.6g
中華スープ顆粒 1.2g 3.6g
コンソメ顆粒 1.2g 3.6g
白だし(EB) 大1→1.85g 100ml→12.3g
ヤマサ昆布つゆ(3倍濃縮) 大1→1.6g 100ml→11g
そばつゆ華 大1→2.4g 100ml→16g
中華王 大1→2.7g
ほんだし
(味の素)
小1で1.2g 表示目安:
300ccに小1
修正目安:
600ccに小1
丸鶏がらスープ
(味の素)
小1で1.2g 表示目安:
150ccに小1
修正目安:
300ccに小1
KKコンソメ
(味の素)
小1で1.2g 表示目安:
150ccに小1
修正目安:
300ccに小1
ダシダ 小1で1.8g スープの作り方:200ccの水に小1

 

食材100gに対する1%の塩分濃度は、塩で1g、みそで8g、しょうゆで6gです。
この基本を覚えておけば、いつも同じ味の味噌汁を提供できるだけでなく、
塩で味付けするところ6倍量の醤油に変更したりと色々と応用がききます。

 

 

2: 定番料理の調味パーセントの例

 

定番料理の調味パーセントの例をご紹介しておきます。

 

汁物 塩分濃度(出汁に対し)
すまし汁 0.5〜0.7%
スープ 0.2〜0.5%
味噌汁 0.6%〜0.8%

 

 

焼き物 塩分濃度(食材に対し)
魚の塩焼き 2〜3%
魚のムニエル 1%
豚のしょうが焼き 1.5% (糖分2〜4%)
ハンバーグ 0.6%
卵焼き 0.5〜0.6%

 

 

煮物 塩分濃度(総量に対し)
魚の煮つけ 1.5〜2% (糖分2〜3%)
里芋の煮物 1.2〜1.5% (糖分5〜7%)
いりどり 1.2%〜1.5% (糖分5〜7%)
青菜の煮びたし 1〜1.2% (糖分1%)
乾物の煮物(戻した量) 1〜1.5% (糖分4〜15%)

 

ご飯もの 塩分濃度(米に対して)
炊き込み 1.5%
すし飯 1.2〜1.5% (糖2〜5%・酢12%)
チャーハン(米に対し) 0.5〜0.8%

 

 

 

その他 塩分濃度
お浸し 1〜1.2%
ごま和え 1% (糖分2〜3%)
野菜炒め 1〜1.2% (糖分0.5%)
茶碗蒸し 0.5〜0.7%

 

 

以上の通り、塩加減は塩分濃度1%が基本となります。
これは、人間の血液の塩分濃度が約0.8〜0.9%であり、人間が美味しいと感じる
塩加減もおおよそ一緒である為です。

 

糖分については、個人の好みによるところが大きいため、調理人の判断で構いません。
調味パーセントの考え方をしっかり身に着けておくと、安定した味づくりが可能になります。

 

調味パーセントを活用した、炒め物の味付けの仕方については、
別記事で詳しく紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。(^ ^)

 

>【具体例で紹介】大量調理の味付けのコツ